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〈A.環境負荷低減〉CO2排出量削減・省エネルギーの取り組み(駅設備等)

地球環境保全という点で今最も大きな課題といえば、CO2に代表される温暖化ガスを原因とする地球温暖化です。都市交通事業本部ではその対策として、駅設備等で下記のような取り組みを行っています。

1.駅設備等における取組み

(1) カーボン・ニュートラル・ステーション 摂津市駅

京都線正雀駅~南茨木駅間に2010年3月14日に開業した「摂津市駅」は、駅に起因するCO2排出量を実質的にゼロにする日本初の『カーボン・ニュートラル・ステーション』です。その概要は以下のとおりです。

摂津市駅南側では摂津市・民間事業者により、公共公益施設の再整備事業を含む都市核づくり(『南千里丘まちづくり』)が実施されました。「南千里丘まちづくり」では、深刻さを増す地球温暖化問題への対応が急務であるという認識の下、同地区を地球温暖化対策モデル地区と位置づけて事業が進められました。まちの玄関口となる「摂津市駅」についても、駅の運営に起因するCO2排出量を実質的にゼロにする日本初の『カーボン・ニュートラル・ステーション』としています。

具体的には、摂津市駅での電力使用量(照明、エレベーターなど)、水道使用量から想定されるCO2排出量について、駅に設置した太陽光発電(2022年度の発電量は51,929kWh)の他、各種省エネルギー設備(LED照明、エレベーター回生電力利用、ヒートポンプ式給湯器、雨水利用)によりできるだけ削減し、残る直接的に削減困難なCO2排出量について、排出枠によりオフセットし、駅に起因するCO2排出量をゼロにしています。

2022年度は、駅運営で想定されるCO2排出量のうち、環境配慮施策により40%を削減し、排出枠により60%をオフセットしました。

摂津市駅イメージ
摂津市のエコ技術について

なお、摂津市駅では、開業を記念して環境メッセージ列車を運行したほか、広告看板等を利用した環境情報を発信しています。詳細についてはこちらをご覧ください。

摂津市駅における
カーボンオフセットについて

摂津市駅において排出するCO2を、森林を保全する活動により削減されるCO2の量を利用し※埋め合わせることによって、実質的にゼロにしています。
※兵庫県内の森林整備(間伐)の促進により生み出されるオフセット・クレジット(J-VER)を利用しています。

(2) 京都線地下線区間の環境施策

京都線の京都市内地下区間では、環境省から「低炭素地域づくり集中支援モデル事業」の委託を受け、大規模な環境施策を実施しました。
具体的には、京都地下線区間約3.7km(ただし、西院駅・大宮駅部を除く)の照明・電照看板の大規模なLED化などを実施しました。
この事業で設置されたLED照明は4261箇所で、90年比で年間約24%(今回LED化を実施した照明類のみで比較すると約54%)の電力使用量が削減されました。(事業終了の2013年度末実績結果)
なお、「低炭素地域づくり集中支援モデル事業」は、他の地域のモデルになり得る低炭素化事案に対して、環境省がその効果検証を目的に民間事業者などに委託して実施するもので、本事業は関西で唯一採択を受けました。
これらが評価され、国土交通省近畿運輸局より、平成26年度近畿運輸局交通関係環境保全優良事業者等局長表彰を受賞しました。

(3) 創エネ・省エネ設備の導入

(1) 太陽光発電システムの導入
2010年3月に、京都線摂津市駅のホーム上屋部に太陽光発電パネルを設置し、運用しています。
2023年3月には、神戸線西宮北口駅の屋上に太陽光発電パネルを設置しました。発電電力量は年間約355,000kWhを見込んでおり、これは、一般家庭における年間使用電力量の約80世帯分に相当します。

(2) 照明器具・灯具の省エネ化

高効率変圧器および照明器具
変圧器を更新する際には、電気の変換効率の高いトップランナー変圧器を採用し、また駅の照明器具についても照度を維持しつつ消費電力が低減できるLED照明を順次採用しています。

LED照明は以下の駅・施設で導入しています。
駅:大阪梅田駅、中津駅、十三駅、神崎川駅、園田駅、武庫之荘駅、西宮北口駅、夙川駅、御影駅、王子公園駅、春日野道駅、神戸三宮駅、花隈駅、伊丹駅、今津駅、苦楽園口駅、甲陽園駅、逆瀬川駅、宝塚南口駅、宝塚駅、三国駅、庄内駅、曽根駅、岡町駅、豊中駅、蛍池駅、池田駅、川西能勢口駅、山本駅、中山観音駅、売布神社駅、牧落駅、上新庄駅、正雀駅、摂津市駅、南茨木駅、高槻市駅、上牧駅、西山天王山駅、長岡天神駅、東向日駅、洛西口駅、桂駅、西院駅、大宮駅、烏丸駅、京都河原町駅、吹田駅、豊津駅、関大前駅、千里山駅、南千里駅、北千里駅、松尾大社駅、嵐山駅(2024年3月時点 87駅中、55駅)
駅以外の施設:西宮車庫(一部)、神戸本線・今津線・甲陽線・伊丹線・宝塚本線・箕面線・京都本線踏切、天六トンネル、京都地下線トンネル・駅構内外の流通各店舗

また、上記以外にも信号機、踏切警報機や行先表示器等へのLED灯器、電照式の広告・案内看板等でもLED照明の導入を進めています。

(3) その他(節水、空調の省エネ化等)
節水タイプ小便器
駅のトイレには、節水タイプの小便器を積極的に設置しています。
2015年にリニューアルしたトイレでは、洗浄水を0.5L/回に低減した最新型の節水小便器を設置しました。

雨水利用
摂津市駅や西山天王山駅では、ホームの上屋に降った雨を集めて貯蔵するタンクがホーム下に設置されています。
貯えた雨水は、駅の植栽への散水やトイレの洗浄水として活用しています。

ドライミスト
西宮北口駅橋上コンコース・カリヨンの鐘付近にドライミストを2009年7月に設置しました。ドライミストは人工的に発生させた霧(ミスト)の気化(蒸発)を利用するもので、周辺温度を2~3℃低下させる効果が期待できます。

空調熱源ポンプのインバーター化
京都河原町駅のホーム・コンコースの冷房を、これまで一定の出力で行ってきましたが、空調熱源ポンプをインバーター化することにより構内の温度に応じた空調を実現しました。これにより、70%の消費電力量を低減しています。

ヒートポンプ式自動販売機
駅に設置している自動販売機については、冷却時に発生する排熱を有効利用し、効率的に自動販売機内の加温販売製品を加熱しています。

ドライミスト図解 ドライミスト写真

2.その他 省エネ電気設備の導入

(4)力率改善用コンデンサ設備運用

電車運転時、電気系統には無効電力が発生します。当社では、この無効電力を極力軽減するため、力率改善用コンデンサ設備を導入しております。力率改善用コンデンサを設置することで、1ヶ月当り平均2%、電力の有効利用を図ることができます。

力率改善用コンデンサ設備

(5)駅舎補助電源装置の導入

電車がブレーキをかけた時に発生する回生電力のうち、有効活用できなかった余剰回生電力を駅舎等で活用できるよう、千里変電所、西院変電所、桂き電室に設置し省エネルギー化を図っています。

駅舎補助電源装置のしくみ
駅舎補助電源装置